人事労務ニュース
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文書作成日:2026/07/07

36協定の特別条項の適用に関するよくある誤解

 法定労働時間(原則として1日8時間・1週40時間)を超えて従業員に労働させる場合は、「時間外労働・休日労働に関する協定」(以下、「36協定」という)を締結し、労働基準監督署に届け出る必要があります。その上で、協定した内容の遵守も求められます。その際、限度時間を超える時間外労働が見込まれることで、特別条項を設け適用する際には、以下の点を確認しなければなりません。

[1]36協定の特別条項を適用する際の注意点
 36協定に設けた特別条項を適用する際には、以下の3点について注意が必要です。

  1. 36協定で協定した特別条項を適用する場合の手続きを確実に行うこと
  2. 特別条項を適用する回数が36協定で協定した回数を超えないこと
  3. 1ヶ月の時間外労働と法定休日労働の時間数の合計(以下、「合計時間数」という)が、1ヶ月で100時間未満、2〜6ヶ月の平均をとって1ヶ月当たり80時間以下であること

[2]よくある誤解
 [1]の注意点に関して、各々のよくある誤解を確認します。
 1.については、36協定で締結した特別条項を適用する場合の手続きを、例えば「過半数代表者に対する事前申し入れ」とした場合に、事前に申し入れた時点で、特別条項が適用されたことになると勘違いしていることがあります。これについては、実際に一般条項で定めた延長することができる時間数を超えて労働させた場合に、特別条項が適用されたことになります。そのため、事前に申し入れたものの、その後、時間外労働をせず、延長することができる時間数を超えなかったのであれば、特別条項は適用されなかったことになります。
 2.については、特別条項の回数は1年間で最大6回とされており、36協定で「6回」と定めているケースをよく見かけます。この回数については、事業所全体で特別条項が適用された回数ではなく、従業員ごとの回数です。そのため、従業員ごとに6回を超えないように管理することになります。
 3.については、36協定の有効期間である1年間において遵守することとの誤解があります。これは、36協定の有効期間に左右されることなく、前後の36協定の有効期間をまたいで適用されます。そのため、36協定の有効期間が2026年4月1日から2027年3月31日までで、例えば合計時間数を1ヶ月90時間と締結していたとすると、2027年3月の合計時間が90時間であった場合、2027年4月の合計時間は70時間以下とする必要があります。なお、これは36協定の時間数は遵守した上で、さらに遵守すべき内容になります。

 36協定に特別条項を設けている事業所においては、よく分からないまま運用されているケースもあるかと思います。36協定は従業員に法定労働時間を超えて労働させる際に、重要な内容であることから、正しく理解し、運用することが求められます。

■参考リンク
厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。


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